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2024.10.16
「100歳になっても自分の歯で食べる」を目指すには、口の機能を守り、改善するための栄養摂取がとても大切です。
また、口の中の健康は歯だけの問題ではなく、全身の健康とも深く関わっています。
特に、ビタミンは体の中でいろいろな働きをしていて、口の健康を維持するために欠かせない栄養素です。
今回は、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの2つに分けて、それぞれが歯にどんな影響を与えるのか、詳しく解説します。
ビタミンは、大きく分けて脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの2種類があります。
それぞれのビタミンは、体内で異なる働きをし、口腔環境の保全においても重要な役割を担っています。
脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンは、脂肪と一緒に体内に吸収され、肝臓や脂肪組織に蓄積される特性があります。
口腔環境や骨の健康に関与する代表的な脂溶性ビタミンには、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKがあります。
ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、骨や歯を強く保つのに不可欠です。
口腔機能の改善には、歯の強化だけでなく、骨粗しょう症予防にも役立ちます。
また、ビタミンDは歯周病の予防にも関係があるとされています。
ビタミンE
ビタミンEは、強力な抗酸化作用を持つビタミンで、細胞の酸化ストレスを軽減する働きをします。
酸化による細胞の損傷を防ぎ、口腔内の健康や歯茎の炎症を抑える効果があります。
ビタミンK
ビタミンKは、骨の代謝において重要な役割を果たし、カルシウムの骨への取り込みを促進します。
口腔環境においては、歯茎の健康維持や、骨を強化するために必要です。
水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは、体内に蓄積されにくく、尿として排出されるため、日々の摂取が必要です。
口腔環境を整えるために特に重要なのが、ビタミンB群やビタミンCです。
ビタミンB群(B1, B2, B5, B6, B12)
ビタミンB群は、エネルギー代謝を助け、細胞の再生や粘膜の健康をサポートします。
特に、口腔内の粘膜や舌の健康に重要な働きをします。
ビタミンB1(チアミン)
口腔内の神経や筋肉の正常な機能を保つのに役立ちます。
歯や顎の神経の働きを助け、歯の感覚や噛む力の維持に貢献します。
ビタミンB2(リボフラビン)
口内炎や口角炎の予防に有効で、口腔粘膜の健康維持に欠かせません。
粘膜を強化し、傷ついた組織の修復を促進します。
ビタミンB5(パントテン酸)
口腔内の傷や炎症の回復を助けるビタミンです。
免疫力を高め、歯茎や口内の組織の修復を促進します。
ビタミンB6(ピリドキシン)
免疫力を向上させ、口腔内の細菌感染を防ぐ効果があります。
歯周病の予防にも関連しています。
ビタミンB12(コバラミン)
細胞分裂やDNAの生成を助け、粘膜の健康維持に重要です。
ビタミンB12が不足すると、口内炎などが発生しやすくなります。
ビタミンC
ビタミンCは、コラーゲンの生成を促進し、歯茎や血管を強化します。
歯茎を健康に保ち、歯周病や出血を防ぐ働きがあります。また、抗酸化作用によって、口腔内の炎症を抑える効果もあります。
ビタミンを積極的に摂取することで、口腔内の健康維持が期待できます。
ビタミンDやKは、骨の健康をサポートし、ビタミンCやEは抗酸化作用によって、口腔内の細胞を保護し、歯茎や粘膜の健康を守ります。
特に、口腔内は細菌が多いため、免疫力を高めるビタミンの摂取が重要です。
ビタミンB群やCを摂取することで、細菌感染の予防や、傷の治癒を促進し、炎症を防ぐことができます。
また、酸化ストレスを下げることは、口腔環境を整えるために非常に重要です。
抗酸化作用を持つビタミンEやビタミンCを積極的に摂取することで、細胞の老化を防ぎ、歯茎や口腔内の健康を守ることができます。
ビタミンをバランスよく摂取することで、口腔内の健康を保つだけでなく、骨や歯の強化にもつながります。
特に、高齢になるにつれて骨が弱くなりやすいため、ビタミンDやKを含む食材を意識的に摂取し、歯を支える骨の健康を維持することが大切です。
ビタミンの摂取は、健康的な口腔環境の維持に向けた第一歩。
100歳になっても自分の歯で噛める生活を実現するために、ビタミンをしっかり摂り、口腔環境を整え、日々のケアを怠らないようにしましょう。